
琉球舞踊には、古典舞踊と明治以降に生まれた雑(ぞう)踊りがあり、古典舞踊は、鮮やかな紅型衣装で舞う女踊り(写真)や若衆踊り、老人踊り、二才(ニセー)踊りに分かれる。
組踊「手水の縁」の一場面。国立劇場おきなわでは、若手研修生の育成も行っている 。
「暮さらぬ 忍で来やる 御門に出ぢ召しやうれ 思ひ語ら」
(寂しくて暮らすことができないので、忍んできました。門に出てください。思いを語り合いましょう)
これは琉球の伝統芸能、組踊の代表的な演目「手水の縁」の一節。組踊は琉球王国時代に中国からの使者を接待するために生まれた芸能で、「歌舞伎と能の中間」といえば、なんとなくおわかりいただけるだろうか。沖縄の言葉を8・8・8・6の琉歌にして、独特の抑揚をもって歌われる台詞が紡ぐのは、王朝時代の物語。男女の恋あり、敵討ちあり、親子の深い情愛をうたったものもある。さらに三線と笛、胡弓、太鼓、箏が奏でる地謡が、ドラマに深みを与えている。
実は芸能の島・沖縄でも、組踊は少々敷居が高いと思われて、見たことのない人が多い。沖縄の人でも若い人には理解できない言葉の壁もある。そんな組踊を衰退させてはならないと、沖縄の伝統芸能の保存振興と交流を目的に、2004年1月、浦添市に「国立劇場おきなわ」が開館した。
ここでは毎月、組踊の公演だけでなく、琉球舞踊や沖縄芝居、県内各地の郷土芸能の公演も行われている。組踊の舞台では両袖に字幕が出るので、たとえ言葉がわからなくても、美しい舞台を充分楽しむことができる。
沖縄の芸能というと島唄やエイサーが有名だが、たまには王朝文化の香る組踊や琉球舞踊の世界をのぞいてみてはいかがだろう。

国立劇場おきなわは、那覇空港からタクシーで約30分。
国立劇場おきなわ TEL098-871-3311
ほかにも琉球舞踊は、沖縄県立郷土劇場(那覇市TEL098-866-2341)琉球舞踊館うどい(南城市 TEL098-949-7056)などで見ることができる。
