ギネスにも認定!? 沖縄を盛り上げる伝統行事「三大大綱引き」




夏真っ盛りですが、どのようにお過ごしでしょうか?
夏を盛り上げるイベントのひとつにお祭りを思い浮かべる方も多いかと思います。

ここ沖縄では旧暦の6月~8月(新暦の7月から9月頃)にかけて「大綱引き祭り」が各地で開催されます!
今回は沖縄の伝統行事・大綱引きの歴史や特徴について迫ります!

大綱引きの歴史


綱引きといえば、本土では運動会の種目の1つとして行われる印象が強いかもしれませんが、
沖縄の綱引きといえば「綱を引くことで豊年を引き寄せる」とされ、豊年を祝う神事として古くから受け継がれて来ました。
現在も主に地域の豊年祭行事の一環として行われ、地域の子孫繁栄・無病息災・五穀豊穣などを祈願する目的で行われます。


三大大綱引きって?



「与那原大綱曳」「那覇大綱挽」「糸満大綱引」は沖縄の三大大綱引きとして知られています。
綱引きの表記は「曳」、「挽」、「引」と違っており、一説によると与那原大綱曳・那覇大綱挽に使用される「曳」「挽」は
「勇力を争う」ことを意味し、糸満大綱引きに使用される「引」は「厄鬼の駆除」を意味するようです。

与那原大綱曳



本島南部に位置する与那原町の与那原大綱曳は沖縄で一番華やかで力強い綱として有名で、
440年以上前、琉球国王尚永王(しょうえいおう)の時代から始まったと言われています。
豊作祈願の神事として始まったといわれる与那原大綱曳は、東西の綱の結合により稲の実りを前祝いし、
勝敗によって豊作、凶作を占います。

大綱曳はもともと旧暦6月26日に、町内の拝所で豊作や住民の健康を祈願したあとに行われていましたが、
農家が少なくなったことや生活の環境の変化、また観光的要素が強くなったことなどから、
現在では旧暦6月26日以降の日曜日に行われるようになりました。

与那原大綱曳まつりは二日間の日程で行われ、会場では屋台や音楽ライブなどのステージイベント、
メインイベントの綱曳と花火ショーは最終日に行われ、与那原の夏を盛り上げる行事とされています。

2025年度は7月26日(土)・2025年7月27日(日)に開催予定となっておりますので、気になった方は要必見です!
【与那原町観光ポータルサイト】
https://yonabaru.okinawa/news/yonabaru_2025/

那覇大綱挽


那覇大綱挽の発祥は西暦1450年頃だとされており、長い歴史を有する沖縄最大の伝統文化催事です。
他の地域の綱引きが豊年祭行事の一環として行われていることに対して、那覇大綱挽は琉球王朝の祝い事や、
中国から来訪した冊封使(さっぽうし)歓待の際に特別に行われた国家的な催しであったと考えられています。

現在では観光名所である国際通りを力強く練り歩く「旗頭行列(うふんなすねーい)」(綱引き行事の際に、 応援の旗印として掲げられた幟(のぼり)の行列)に始まり、国道58号線にて世界一の大綱による「那覇大綱挽」が行われます。

1995年には「米藁で製作された世界一の綱」 としてギネス認定登録され、
その後も大綱は毎年成⾧しギネス記録も更新するなどして、沖縄を代表する大綱なのです。

秋の風物詩ともいわれる那覇大綱挽は毎年10月、スポーツの日を含む3連休の中日(日曜日)に開催されます。
会場では綱挽のみならず、様々なステージイベントや屋台などが設置されるため、沖縄県で最大級のイベントとして現地を賑わせます。

※2025年度の日程は現時点では発表されていないので、詳細はホームページなどをご確認ください。
【那覇市ホームページ】
https://www.city.naha.okinawa.jp/index.html

糸満大綱引


漁業が盛んな本島最南端に位置する糸満市の糸満大綱引きは豊年と大漁祈願、家内安全、無病息災を祈る神事として行われます。

糸満大綱引の特徴として知られているのは、大綱が本番当日に作られるという事。
糸満市の各区域で作られた小綱を合わせ、市民一丸となって作り上げていきます。

開催日は他の地域では祝祭日に行われるなど観光化されていますが、糸満大綱引きは古式伝統を守り、
祝祭日・平日関わらず旧暦の8月15日に行われます。
平日開催の時には学校が休校や午前授業になったり、仕事を有給休暇をとって参加する方も多いとされることから、
地元では伝統的な一大行事として浸透されている事がうかがえますね。

大綱引き前には、1,000人余の糸満市民が参加する「道ジュネー」(パレード)が行われ、
エイサー、舞踊などの様々な出し物を観客に披露しながら糸満の町を練り歩きます。

2025年度の日程は現時点では発表されていないので、詳細はホームページなどをご確認ください。
【糸満市ホームページ】
https://www.city.itoman.lg.jp/

与那原大綱曳の流れ・特徴



ここからは7月に開催される与那原大綱曳の大まかな流れや特徴をお伝えします!

与那原大綱曳は、他で行われる綱曳とは違う大きな特徴があります。
それは、綱の上に支度(したく:歴史上の人物や物語の登場人物に扮した青年達)を乗せることから始まり、
綱曳が終了するまでの一連の流れに区切りがなく、すべてが連動した動きであるということです。

1.歴史上の人物や物語の登場人物に扮した「支度(したく)」が綱の上に乗る


2.綱係の合図に丸太(綱を担ぐ棒)で担ぎ上げる体制に入る

3.ボラ貝・鉦鼓(そーぐ)の音で「サー」の掛け声のもと、綱を担ぎあげる

4.東西の綱を寄せ合い、六尺棒(綱を支える棒)で雄雌のカナチ(輪になった頭の部分)を結合させる


5.長さ約3.2m、幅約20cmの「カナチ棒」(丸太の棒)をいれる


6.カナチ棒が入ると同時に綱を落とし曳く。その時に支度は綱から飛び降り、丸太(担ぎ棒)を綱の下から引き抜く

という流れです。
特に、(5)のカナチ棒が入ってから綱曳が始まるまでは、あっという間の出来事ですが、
この流れこそ他の地域にはない与那原大綱曳の醍醐味であり最大の特徴なのです。
また、綱を曳く時も単に「引きずる」のではなく、綱本体を上下させながら(地面に叩きつけながら)曳くことも特徴とされています。

出典:
https://www.town.yonabaru.okinawa.jp/ootsunahiki/menu1.html
https://yonabaru.okinawa/opendata/search/

写真からも大綱の迫力が伝わってきますね!ちなみに、曳き終わった綱は切り取って持ち帰る事が出来ます。
綱には家内安全・厄除けの効果もあるので記念としてはもちろん、縁起物として持ち帰る方も多いです!

感想



沖縄県民の私も、大綱引きは毎年恒例のお祭りとして身近に感じておりました。
小さい頃は大綱の迫力と会場の熱気に圧倒されて恐怖を覚えたのも今は良い思い出として記憶に残っております。
参加される方は沖縄の日差しや会場の熱気に圧倒されないように、万全な熱中症対策やこまめな水分補給をしっかり行いご参加くださいね!