沖縄のお盆事情!「エイサー」は沖縄の盆踊り?!

沖縄には独自な文化や習慣が色濃く残されており、本土の方はその違いを知ると驚きを感じるかもしれません。
今回は「沖縄のお盆事情」についてご紹介していきます!
沖縄の旧暦文化
沖縄にはハーリーやエイサー、綱引きなどさまざまな文化がありますが、そのほとんどが旧暦に基づいて行われています。
旧暦は、月の満ち欠けを基にして作られた暦で、現在広く使われている「太陽暦」(太陽の動きを基にした暦)とは異なり、
季節の移り変わりをより細やかに感じられるといわれます。
本土では新暦が一般的ですが、沖縄では古来から旧暦を意識した暮らしを続けている家庭が多くあります。
そのため、沖縄のお盆は毎年・旧暦7月13日~7月15日に「旧盆」(旧暦に基づいて行われるお盆のこと)として行われ、
2025年は9月4日(木)~9月6日(土)が旧盆の時期にあたります。
沖縄のお盆は七夕から始まる?

七夕といえば、7月7日に笹を飾り、短冊に願いごとを書くというイメージが強いかもしれません。
一方、沖縄の七夕はご先祖様に「もうすぐお盆ですよ」と
お墓に眠るご先祖様にお盆の到来を告げ、それに備えてお墓掃除をする日だといわれています。
なので、沖縄の旧盆は旧暦の七夕から始まっていると言われます。
また、沖縄では頻繁にお墓参りをせずに決められた日に行く家庭が多いです。
それはそのお墓だけ人が訪ねていると「故人が後ろ髪を引かれる」「周囲の仏様が羨ましがる」などとされ、
シーミー(清明祭)や七夕などのお墓参り行事でなければ、あまりお墓参りに行くことは好まれないとされているからです。
「ウンケー・ナカビ・ウークイ」って?
旧盆は旧暦の7月13日~15日(今年は9月4日(木)~9月6日(土))にかけて行われ、
沖縄の方言で初日は「ウンケー(お迎え)」、2日目は「ナカビー(中の日)」、最終日は「ウークイ(お送り)」のように呼ばれています。
ここからは旧盆のおおまかな流れをご紹介します。
旧盆の流れも地域によって流れが異なる場合もあるので、参考程度に留めてくださいね!
①初日の「ウンケー」ではご先祖様を自宅に迎えるための準備を整えることが中心です。
ウンケー(お迎え)の儀式として、夕方になると門前にろうそくなどの灯りをともしてご先祖様を自宅に迎え入れる儀式を行います。
自宅にご先祖様を迎えたら、ろうそくやヒラウコー(沖縄のお線香)を焚き、玄関先で静かに気持ちを込めて御願(ウートートー)を行います。
お供え物の内容は地域によっては異なりますが「ウンケージューシー(沖縄の炊き込みご飯)」や「酢の物(ウサチ)」など
軽めの献立がお供えされるのが一般的です。

「ウンケージューシーと酢の物」

「ヒラウコー」(沖縄独特の黒くて平たい線香)
②2日目の「ナカビ」にはムートゥヤー(お仏壇のある家・本家)に親族が集まり、ご先祖様と共に過ごす日になります。
お仏壇を持たない家族にとっては、親族廻りの日になり、「お中元」を持参してお仏壇のある家を廻ります。
沖縄のお中元はお米、そうめん、洗剤など日持ちする物が人気ですが、沖縄ならではのお中元として人気な物が箱売りのツナ缶です!
普段の料理にはもちろん、お中元の贈答品としても選ばれるほど沖縄県民に親しまれています。
③最終日の「ウークイ」は3日間滞在したご先祖様をお見送りする日です。
お盆最終日のウークイは重要な日で、ご先祖様を送り出す儀式や豪華な料理でのおもてなしが行われます。
夕方になるとお仏壇前での儀式を行い、仏壇に供えられた重箱料理「ウサンミ(御三味)」を親族皆で一緒に食卓を囲み
「ウサンデー(お供えしたものをいただく事)」を楽しみます。
お仏壇での拝みが済んだら、続いて門前にて家長が3日間の感謝の気持ちと無事のお帰りを伝える、ご先祖様をお見送りする儀式を行います。
送り終えたら、「後ろ髪を引かれぬように」として、その日のうちに片づけをしてしまいます。
お線香の灰やお供物を丁寧に片付け、ご先祖様に「来年もまたいらしてくださいね」と声をかけて、旧盆を締めくくります。
旧盆エイサー
旧盆の行事として欠かせないものがエイサー!
旧盆の最終日「ウークイ」に先祖の霊をあの世に送り出すために踊られる伝統行事として始まりました。
エイサーは県外でいう盆踊りのようなものと言われます。
ご先祖様を送り出すために各地で踊られるエイサーは、各地域で地区ごとの青年会が市町村内や区域内の道路をエイサーしながら練り歩きます。
これを「道ジュネー」といい、ご先祖様を見送るためだけでなく、各家の無病息災や家内安全、繁盛を祈って踊られます。

また、エイサーのイベントはお盆時期のみならず沖縄県内の様々な所で開催されます。
エイサーを実際に観てみたい!という方は必見です!
♦「沖縄全島エイサー」
沖縄全島エイサーまつりは毎年旧盆明けの最初の週末に沖縄県中部の沖縄市で行われる、県内最大級のエイサーイベントです。
2025年度は9月12日(金)~9月14日(日)の3日間にわたり開催されます。
夜には3日間ともにレーザー光線や花火による演出も加わる、見どころ満載なお祭りです!
※雨天決行 ただし台風や荒天の場合、時間や日程に変更が生じる場合がありますので最新情報は公式サイトをご確認ください。
https://www.zentoeisa.com/
♦「おきなわワールド」
沖縄県南部・南城市にあるテーマパークで、国内最大級・東洋一美しいといわれる天然記念物の鍾乳洞の見学や、琉球ガラス作りなどの工芸体験など
沖縄の歴史・文化・自然が楽しめる人気の観光スポットです!
沖縄の伝統芸能であるエイサーショーがおきなわワールドでは毎日公演しているそうです!
※エイサーショーの開催時間は季節によって変動するので最新情報などは公式サイトをご確認ください。
https://www.gyokusendo.co.jp/okinawaworld/
♦「琉球村」
沖縄県中部のリゾート地・恩納村にあるテーマパーク「琉球村」は琉球王国時代の生活模様を再現し、現代に伝えるテーマパークです。
琉球の文化や芸能、自然をまるごと体感できます。
琉球村園内ではエイサー・琉球舞踊・島唄などの琉球芸能を鑑賞できます。恩納村へお出かけの際は訪れてみるのはいかがでしょうか♪
※こちらも季節によっては変動する場合があるので最新情報などは公式サイトをご確認ください。
https://www.ryukyumura.co.jp/official/
まとめ
沖縄のお盆の過ごし方は皆さんの地域と比べてここが違う!などの発見はありましたでしょうか。
忙しい毎日を過ごす中でも日頃会えない親族が集まる旧盆の時期は人との繋がりの大事さを思い出すきっかけになると感じます。
また、旧盆の時期に沖縄へ訪れる方は「霊に足を引っ張られる」という言い伝えから「海に入る事」は禁止されておりますのでご注意くださいね!