あなたは知っていますか?沖縄の方言「しまくとぅば」



那覇空港にも飾られている「めんそ~れ」という看板を見かけた事はありますでしょ うか?
「いらっしゃい」や「ようこそ」という挨拶の意味合いで、既に知っているよ~!と いう方も多いかもしれません。

今回は沖縄の「しまくとぅば(島の言葉)」についての歴史、地名など沖縄独自の文化 についてをお届けしたいと思います!


しまくとぅば・うちなーぐちって?その違いは?



「しまくとぅば」直訳すると「島の言葉」で、その意味は、村落、島、故郷を表します。ユネスコには2009年に、「消滅危機言語」として国頭語・沖縄語・宮古語・八重山語・与那国語のそれぞれを消滅の危機に瀕する言語として認定されました。

「しまくとぅば」は概ね、6つに分類され、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語に分かれています。
「うちなーぐち」は「沖縄語」のことで、しまくとぅばの1つですが、「うちなーぐち」の中にも首里言葉、糸満言葉などがあり、これらも「しまくとぅば」に含まれます。

引用元:https://www.info.city.naha.okinawa.jp/bunka/y000304.html
(那覇市電子相談システム/「しまくとぅば」と「うちなーぐち」の違いを教えてください)


うちなーぐちの歴史



うちなーぐちの歴史は琉球王国(1429年-1879年)の時代にさかのぼります。
言語のルーツは日本語であるとされていますが、奈良時代までには分かれたと考えら れており、呼び方は琉球方言、沖縄方言、沖縄語と様々あるとされています。

琉球王国の首都であった首里に住む人々が話していたのは沖縄中南部の言葉で、ユネ スコの分類では沖縄語にあたります。九州の方言や日本の古語の影響も見られ、本土 ではすでに失われた言葉も多く残されています。

その後、明治時代には政府が日本本土の標準語使用を推進し、学校で沖縄の言葉であ るうちなーぐちの使用を禁止しました。うちなーぐちを話した子どもは、次に話す人 が現れるまで、板で作った「方言札」を首からぶら下げる罰を受けました。
この標準語の普及運動は昭和中期まで続き、うちなーぐちを使う人も減っていったよ うです。

引用: https://www.city.uruma.lg.jp/miryoku/p000005.html
(うちなーぐちって何? | うるま市公式ホームページ)


9月18日は「しまくとぅば」の日



現在では沖縄の文化や言葉を大切にする考えが広まり、2006年には9月18日が「しまくとぅばの日」として制定されました。
「く(9)」「とぅ(10)」「ば(8)」という語呂合わせになっております。

平成25年に行った「しまくとぅば県民意識調査」において、県民は「しまくとぅば」への親しみを持っている反面、「しまくとぅば」を主に使う人が、全体で10%となっており、消滅の危機の実態が数値においても証明され、更に、若年層ほど「しまくとぅば」が使えない状況と言われております。

その状況も踏まえて教育機関では、小中学校の子どもたちが学校行事や道徳の時間などで「しまくとぅば」に触れることができるように工夫し、高校では国語の授業などで学ぶ機会を設けています。また、商品名などに「しまくとぅば」の使用を積極的に考えるなど、民間企業レベルでも「しまくとうば」の普及活動が行われています。

旅先でも使える!うちなーぐち



ここからは基本的なフレーズとされる「うちなーぐち」をいくつかご紹介します!
沖縄へ旅行に行く際や普段の生活の中でも、覚えて実際に使ってみてくださいね。

・はいさい / はいたい
意味:こんにちは
解説:基本的な挨拶の言葉です。男性と女性で言い方が変わり、男性は「はいさい」・ 女性は「はいたい」として使われます!

・めんそーれ
意味:いらっしゃい/ようこそ
解説:冒頭の部分でも触れた、沖縄の玄関口・那覇空港に降り立った瞬間から飛び込んでくる「めんそ~れ」の看板。沖縄を代表する歓迎の言葉です。

・にふぇーでーびる
意味:ありがとう
解説:感謝の言葉を表します。沖縄の旅先でお礼を伝えたい時に「にふぇーでーび る」と言うと更に喜ばれるかもしれません♪

・くわっちーさびら
意味:いただきます
解説:食事の前の丁寧な挨拶。食事の始まりに感謝の気持ちを表現する際に使われます。

・くわっちーさびたん
意味:ごちそうさま
解説:食事後の挨拶になります。「くわっちーさびら」と同様に、食事の終わりに感謝の気持ちを表現する際に使われます。「くわっちーさびら」とセットで覚えて使ってみましょう!

・またやーさい・またやーたい
意味:また会いましょう
解説:「またやーさい」は別れの挨拶に使います。男性は「またやーさい」、女性は「またやーたい」と言います。標準語の「さようなら」ほどかしこまっておらず、「ま たね」程度のニュアンスで使用できます。

・まーさん
意味:美味しい
解説:ご飯が美味しかった時に使う言葉です。沖縄の料理店で「まーさん」とお店の人に伝えてみるのはいかがでしょうか♪

・ちばりよー
意味:がんばって
解説:応援や励ましの声を掛ける時など、様々な場面に使います。
沖縄県民が熱くなる、夏の甲子園の時などによく耳にするフレーズです!


何て読む!?沖縄の地名クイズ



何て読むのか難しいと言われている、沖縄の地名をクイズ形式でご紹介します!
ぜひチャレンジしてみてくださいね♪

正解は… 「あがりやま」
沖縄県中部うるま市石川にある地名です。
東山(ひがしやま)と読んでしまいそうですが、沖縄では「あがりやま」と言いま す。沖縄の方言で東西南北を表すと、東(あがり)・西(いり)・南(ふぇー)・北(にし)となることから、この読み方になったとされています。また、東(あがり)という呼び方も、太陽がのぼる(あがる)方角が東ということから「東」を「アガリ」と言い、反対に太陽が沈む(入る)方角ということから「西」を「イリ」と言われます。

正解は… 「はえばる」
沖縄県南部にある地域です。沖縄方言で南のことを(ふぇー)と言い、南風原は「ふ ぇーばる」と言われます。地名の由来になっているのが、南風原は琉球王朝時代の中心地「首里」から見て南に位置していたためとされています。

正解は… 「びん」
沖縄本島南部の豊見城市にある保栄茂という地域です。由来は諸説あるようですが、「ぼえも」が方言の変化でこの呼び名になったと言われているようです。漢字三文字に対して読み仮名は二文字なのが不思議に感じますね!


いかがでしたでしょうか。読める地名はありましたでしょうか?
沖縄の珍しい地名の言い方にはその地域ならではの歴史・意味合いがあるのです!




まとめ





沖縄の方言の魅力や地名についてをご紹介しました。消滅危機言語にもなっている 「しまくとぅば」を次世代にも繋げられるように、しまくとぅばに触れる機会を作るなど、出来る範囲で関心を持つことが大事なのだと感じました。
皆様も沖縄に訪れた際に、気になる「地名」や「人名」を見かけたら、その由来までを調べて「しまくとうば」の魅力を周りの人に伝えてみるのはいかがでしょうか。