沖縄のお祝い事情!「タンカーユーエー」で子供の将来を占う⁈

11月の行事に、子どもの成長を祝う日本の伝統行事、七五三がありますね!
特色豊かな歴史や文化が受け継がれる沖縄では、誕生祝いから長寿のお祝い行事にも、本土とは一風変わった⁉︎習わしがあるのです。
今回は沖縄のお祝い行事ではどんな事が行われるか、本土との違いなどをご紹介していきます!
【タンカーユーエー】

本土では子供の満一歳を祝う行事として「一升餅」や「選び取り」で認知されておりますが、沖縄では「タンカーユーエー」として子どもの健やかな成長を願う伝統行事が行われます。
「タンカー」が「満1歳の誕生日」、「ユーエー」は「お祝い」の意味です。
タンカーユーエーでは一般的に、赤飯、墨と筆、お金、本、そろばん、ハサミなどの品々を子どもの前に並べ、最初に手に取ったものでその子の将来性を占うのです。
本土でいう「選び取り」に似ているとも言われます。
それぞれの品物には意味があり、
赤飯:将来、食べ物に困らない
墨と筆:将来、役人になる
お金:将来、お金に困らない
本:賢くなる・学者になる
そろばん:商売上手になる(商売人になる)
ハサミ:お裁縫が上手になる(手先が器用になる)
という意味合いが込められています。
最近では定番アイテムに加えてサッカーボールや楽器、ご両親の仕事道具などを追加したり、それぞれの品物を描いたアイシングクッキーを用意してタンカーユーエーを行うなど、家庭によって様々なアレンジでタンカーユーエーを楽しまれているようです!
【トゥシビー(生年祝い)】

沖縄では、12年に1度巡ってくる自分の生まれた干支の年を「トゥシビー(生年祝い)」としてお祝いする習わしがあります。
該当する年齢は(数え年で)「13歳、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳」で、年祝いが行われます。
トゥシビー(生年祝い)は元々、沖縄では「生まれ年=厄年」と考え、火の神(ヒヌカン)や仏壇に厄払い祈願する風習がありました。厄払いをすることで、目に見えない存在への感謝と、我が子の守護と成長、健康を願う意味があります。
ほとんどの場合、25歳から49歳までは特別にお祝いを催すことは少なく、火の神(ヒヌカン)や仏壇に報告し祈願して済ませることが多いといわれます。
61歳を超えると長寿を祝う意味合いになり、97歳の「カジマヤー」は全国的にも知られる沖縄の御願行事(ウガンギョウジ)なので、「トゥシビー」=「お祝い事」のイメージが強いのかもしれません。
♦ 十三祝い

トゥシビー(生年祝い)の最初の年齢に該当するのが、「十三祝い」です。
数え年で13歳になると、男の子も女の子も最初の干支を迎え、新たな出発の節目の「十三祝い」としてお祝いされます。
特に女の子の場合、次のトゥシビー(生年祝い)にあたる25歳には結婚して家を離れている可能性があるため、嫁ぐ前の生家で行われる最後の祝いとして盛大に行われたようです。
近年では学校で行事として行われたり、七五三のように、礼装を着て記念写真を撮ることも一般的となっています。
私の場合は、学校行事として「十三祝い」を行い、両親へ手紙を贈った事が記憶に残っております。
♦ カジマヤー

カジマヤーとは、トゥシビー(生年祝い)の最後の年齢に該当する、数え年97歳の長寿のお祝いごとです。
「カジマヤー」は沖縄の方言で風車の意味で、97歳になると童心にかえり、風車を持って遊ぶことが由来となっています。
カジマヤーを迎えるにあたり、伝統を大切にしながらも、近年では規模やスタイルに合わせて、ホテルなどの会場を貸し切って祝宴を開く家庭も増えています。
伝統的なカジマヤーでは、祝い主を車や御輿に乗せ、集落を練り歩くパレード「道ジュネー」が行われます。親族や地域の人々が集まり、音楽や踊りを交えて盛大に長寿を祝う光景は、特別なお祝いごととしてその模様を県内のニュースで放送される事もあります!
【番外編~沖縄特有な風習とは⁉~】
ここからは数ある「お祝いごと」でも、沖縄特有と思われる風習をいくつかご紹介します!
♦ 「お菓子のレイ(お菓子の首飾り)」

沖縄の卒業式の風物詩として高校を中心に中学校、更には小学校や保育園の卒業(園)式で、参列者がお祝いの品物として花道を歩く卒業生の首に「お菓子のレイ」と呼ばれる、キャンディなどで出来た首飾りをぶらさげる事が沖縄の卒業式の定番イベントとして根付いております!
卒業式シーズンになると沖縄のスーパーには「お菓子のレイ」が陳列されるので、その光景を見てもうすぐ卒業式なんだな…と沖縄の独自な風習から季節を感じています!
♦ 「かりゆしウェア」

かりゆしウェアは、沖縄の文化や自然をモチーフにしたデザインの服装です。
本土ではフォーマルな装いとしてスーツを着用されている男性が多いと思いますが、沖縄では「かりゆしウェア」をフォーマルな装いの格好として着用します。
入学式、卒業式、結婚式、更には葬祭の場で着用できる黒を基調としたフォーマルなものなどが販売されるなど様々なシーンでかりゆしウェアが着用されます!
また、夏場に着用するイメージがあると思いますが、最近では長袖のかりゆしウェアも登場したり、半袖かりゆしウェアの上からジャケットやカーディガンを羽織ったりと、季節関係なくかりゆしウェアを着用される方もいるのだとか!
幅広いシーンで使用されるかりゆしウェア、沖縄観光へ訪れた際は着用してみるのはいかがでしょうか♪
【まとめ】
沖縄のお祝いごとは皆さんのお住まいの地域と比べてみて大きな違いや発見などはありましたでしょうか。 家族や親族、友人、仲間、地域との繋がりを大事にする沖縄ならではのお祝いごとを通じて、沖縄県民の温かい人柄を感じられました。